Windows XPにおけるbeamerのセットアップ作業のメモ

これは古い記事です。より新しい情報は以下のページにあります:

Windows 7/8.1+TeXLive 2014 環境における Beamer の動作確認


Windows XPにおけるBeamerのセットアップ作業の手順を自分のためにメモ。

Beamerは、TeXでプレゼンテーション資料を作成するためのツールです。LaTeXのクラスとして提供されています。

以下に述べる作業手順は、角藤版W32TeXがインストールされたWindows XP環境を前提としています。

Beamerの入手

Beamerを利用するためには、

  • Beamer:latex-beamer-3.07.tar.gz
  • pgf:pgf-1.01.tar.gz
  • xcolor:xcolor-2.00.tar.gz

が必要です。これらは、以下のサイトからまとめて入手できます:

SourceForge.net:The LaTeX Beamer Class - Browse Files

Beamer 3.07のINSTALLというテキストファイル(latex-beamer-3.07.tar.gzに同梱)によると、pgfのバージョンは1.00以上、xcolorのバージョンは2.00以上が必要となります。

上記の組合せでの正常動作を自己所有のWindows XPマシンで確認済です。

最新版の入手方法

Windows Vista/7においては、上記のバージョンで微妙な不具合(pdfファイルを開いたときにフォントに関するエラーが出て一部の文字がドットに置き換わる)を起こすことがあり、より新しいbeamerとpgfに差し替えることで改善する可能性があります。xcolorは上記サイトから入手したものをそのまま用います。

現時点(2011年2月17日時点)での最新版は、BeamerはVersion 3.10、pgfは2.10です。CTANのサイト、あるいはそのリンク先から入手可能です。以下、それぞれのパッケージの情報が載っているCTAN内のページへのリンクです:

CTAN:View package information - beamer
CTAN:View package information - pgf

CTANから入手する場合、「Location on CTAN」のリンク先ページ冒頭にある「You can get this entire directory bundled as xxxxxx.zip」からファイル一式が入手できます。

ついでに、xcolorのパッケージ情報のページもリンクしておきます:

CTAN:View package information - xcolor

しかしながら、CTANから入手した最新版(v2.11)にはstyファイルが含まれておらず、そのままではコンパイル時にエラーが出ます。

インストール

まず、インストール先であるtexmfフォルダの場所を確認します。そのために、コマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを入力します:

> kpsewhich -var-value TEXMFMAIN
C:/usr/local/share/texmf

返されたパス(ここでは、C:\usr\local\share\texmf)が、texmfフォルダの場所です。

3つのtar.gzファイル

  • latex-beamer-3.07.tar.gz
  • pgf-1.01.tar.gz
  • xcolor-2.00.tar.gz

を適当な解凍ソフト(例えばLhaplus)で展開します。そして、展開されたフォルダを、texmf\tex\latexの下に置きます。

以上で、インストール作業は完了です。

使い方

以下のソースコードを、例えば「sample.tex」という名前で保存します:

\documentclass[dvipdfm]{beamer}

\usetheme{Madrid}

\setbeamertemplate{navigation symbols}{}
\renewcommand{\kanjifamilydefault}{\gtdefault}

\renewcommand{\today}{%
  \the\year%
  年%
  \ifnum \month < 10 %
    0\the\month%
  \else%
    \the\month%
  \fi%
  月%
  \ifnum \day < 10 %
    0\the\day%
  \else%
    \the\day%
  \fi%
  日%
}

\title{講演タイトル}
\author{講演者名}
\institute{所属}
\date{\today}

\begin{document}

% タイトルページ
\begin{frame}
\titlepage
\end{frame}

% 1枚目のスライド
\begin{frame}
\frametitle{素数は無数に存在する}
\framesubtitle{背理法による証明. }
\begin{theorem}
素数は無数に存在する.
\end{theorem}
\begin{proof}
\begin{enumerate}
\item<1-| alert@1> $p$を素数のうちで最大のものとせよ. 
\item<2-> $q$を, $2$から$p$までの整数の積とする. 
\item<3-> そのとき, $q+1$は$2$から$q$までの整数で割れない. 
\item<4-> よって, $q+1$は素数で, しかも$p$より大きい. 
\item<1-> これは矛盾である. \qedhere
\end{enumerate}
\end{proof}
\end{frame}

\end{document}

コマンドプロンプトを起動し、cdコマンドでsample.texのあるディレクトリに移動したのち、以下のコマンドを入力します:

>platex sample.tex
This is pTeX, Version 3.141592-p3.1.10 (sjis) (Web2C 7.5.5)
(中略)
Output written on sample.dvi (5 pages, 90800 bytes).
Transcript written on sample.log.

>dvipdfmx sample.dvi
sample.dvi -> sample.pdf
[1][2][3][4][5]
30811 bytes written

こうして、pdfファイル(sample.pdf)が作成されます。このpdfファイルが、プレゼンテーション用の原稿になります。

配布資料として印刷するときなど、スライド1枚につき1ページのpdfファイルを作成したいときは、\documentclassコマンドのオプションに「handout」を追加します:

\documentclass[dvipdfm, handout]{beamer}

PDF閲覧ソフトについて

PDFファイルを閲覧するためのソフトとしては、Adobe Acrobat Readerが定番ですが、PDFファイルを開くとファイルをロックしてしまうので、コンパイル結果を見ながら編集する場合に不便に感じることがあります。

Windowsでは、Sumatora PDFというソフトが、PDFファイルを開いたままで、更新をリアルタイムに反映してくれます。現在のところフリーで使用できます。ポータブル版もあります。

Sumatra PDF by Krzysztof Kowalczyk
PortableApps.com:Sumatra PDF Portable

cloファイルについて

プレゼンテーションでは、通常のTeX文書よりも大きめの字を使用します。その際、\Largeや\Hugeといったコマンドで逐一指定する方法もありますが、以下のように\documentclassコマンドのオプションによって全体にわたって基準となる大きさを指定するほうがスマートです:

\documentclass[dvipdfm, 14pt]{beamer}

ところが、このオプションをつけてplatexコマンドを実行すると、

! LaTeX Error: File `size14.clo' not found.

というエラーが出る場合があります。

角藤版W32TeX(他のTeX環境については未確認)で最初から用意されているオプションは10pt, 11pt, 12ptです。これらの大きさが利用できるのは、texmf\tex\latex\baseの中にsize10.clo、size11.clo、size12.cloというファイルが存在することによります。

これら以外のサイズを利用するためには、size**.cloという名前のファイル(**にはフォントの大きさの数字が入る)をtexmf\tex\latex\baseの中に設置する必要があります。

最初から用意されている以外のsize**.cloファイルは、CTANのサイトから入手できます:

http://www.ctan.org/tex-archive/macros/latex/contrib/extsizes/

具体的には、size8.clo、size9.clo、size14.clo、size17.clo、size20.cloの5つのファイルが入手できます。なお、これらのファイルがサポートする以外のフォントの大きさ(13pt, 15pt, 16pt等)をdocumentclassのオプションで指定するとsize11.cloが適用されます。

【theme : プログラミング
【genre : コンピュータ

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