射影と正射影

線形代数における射影および正射影の定義を自分のために整理。

(必ずしも内積が定義されているとは限らない)ベクトル空間 V が二つの部分空間 W, U の直和であるとき, V の任意の元 x は

x=w+u, w∈W, u∈U

の形に一意的に表される. このとき, 写像

pW:V→W, pW(x)=w

が定まる. pW のことを V から W への射影あるいは射影子という.

さらに, V が計量ベクトル空間であって, U が W の直交補空間(=W の全ての元と直交する V の元全体のなす部分空間)に等しいとき, 射影 pW のことを正射影あるいは正射影子という. 直交射影あるいは直交射影子ともいう. いずれも英語では orthogonal projection.

さて, 射影 pW をベクトル空間 V 上の線形変換(=V から V 自身への線形写像)とみなすとき, pW2=pW となるが、逆に、V の任意の線形変換 T が T2=T を満たせば, V は T(V) と ker(V) との直和に分解され, T は V から T(V) への射影になる.

さらに, V が計量ベクトル空間であり, V の線形変換 T が射影であるとき, T が正射影であることとエルミート変換であることとは同値である.

参考文献

  • 佐竹一郎: 線型代数学, 裳華房, 1974.
  • 松坂和夫: 線型代数入門, 岩波書店, 1980.

【theme : 数学
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