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直線と点からの垂線との交点を計算する公式

平面において、与えられた直線と、与えられた点から直線へ下ろした垂線との交点を計算する公式。ベクトルを用いる。

※ MathJax を使用しています。数式を表示するためには、JavaScript をオンにする必要があります。

直線 $AB$ と点 $P$ からの垂線との交点 $H$ を計算する公式

点 $A$, $B$, $P$ が与えられているものとし, $A\neq B$ であるとする.

公式

まず, $$ t = \frac{\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP}}{\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2}} $$ とおく. 点 $H$ を, 位置ベクトル $\overrightarrow{OH}$ を $$ \overrightarrow{OH} = \overrightarrow{OA} + t\overrightarrow{AB} $$ とおくことによって定める. このとき, 点 $H$ は直線 $AB$ と点 $P$ からの垂線との交点である.

証明

点 $H$ が直線 $AB$ 上にあることは, $H$ の定め方から明らかである. $$ \overrightarrow{AH}=\overrightarrow{OH}-\overrightarrow{OA}=t\overrightarrow{AB} $$ より, \begin{align*} \overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{PH} &= \overrightarrow{AB}\cdot(\overrightarrow{AP}-\overrightarrow{AH}) \\ &= \overrightarrow{AB}\cdot(\overrightarrow{AP}-t\overrightarrow{AB}) \\ &= \overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP}-\overrightarrow{AB}\cdot( t\overrightarrow{AB}) \\ &= \overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP}-t\,\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2} \\ &= \overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP}-\frac{\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP}}{\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2}}\,\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2} \\ &= 0. \end{align*} ゆえに, 直線 $PH$ は直線 $AB$ に直交する. したがって, 線分 $PH$ は点 $P$ から直線 $AB$ に下ろされた垂線である. (証明終)

補足

位置ベクトル $\overrightarrow{OH}$ の成分表示が $\begin{bmatrix} x \\ y \end{bmatrix}$ のとき, $H$ の座標は $(x, y)$ である. 他も同様である. $A=(x_{1}, y_{1})$, $B=(x_{2}, y_{2})$, $P=(x_{3}, y_{3})$ のとき, $t$ および $H$ は, \begin{align*} t &= \frac{(x_{2} - x_{1})(x_{3} - x_{1}) + (y_{2} - y_{1})(y_{3} - y_{1})}{(x_{2} - x_{1})^{2} + (y_{2} - y_{1})^{2}}, \\ H &= \bigl(x_{1} + t(x_{2} - x_{1}),\,y_{1} + t(y_{2} - y_{1})\bigr) \end{align*} と表すことができる.

直線 $AB$ と点 $P$ との距離を計算する公式

直線 $AB$ と点 $P$ との (最短) 距離は, $\lvert\overrightarrow{PH}\rvert$ である.

記号

二つのベクトル $\boldsymbol{a}=\begin{bmatrix} a_{1} \\ a_{2} \end{bmatrix}$, $\boldsymbol{b}=\begin{bmatrix} b_{1} \\ b_{2} \end{bmatrix}$ に対して, $$ \det(\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}) = \det\begin{bmatrix} a_{1} & b_{1} \\ a_{2} & b_{2} \end{bmatrix} = a_{1}b_{2} - b_{1}a_{2} $$ と定める.

公式

ベクトル $\overrightarrow{PH}$ の長さ $\lvert\overrightarrow{PH}\rvert$ は, $A$, $B$, $P$ にのみ依存する形で次のように表せる. $$ \lvert\overrightarrow{PH}\rvert = \frac{\lvert\det(\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AP})\rvert}{\lvert\overrightarrow{AB}\rvert}. $$

証明

\begin{align*} \lvert\overrightarrow{PH}\rvert^{2} &= \overrightarrow{PH}\cdot\overrightarrow{PH} \\ &= (\overrightarrow{AP} - \overrightarrow{AH})\cdot(\overrightarrow{AP} - \overrightarrow{AH}) \\ &= (\overrightarrow{AP} - t\overrightarrow{AB})\cdot(\overrightarrow{AP} - t\overrightarrow{AB}) \\ &= \overrightarrow{AP}\cdot\overrightarrow{AP} - 2t\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP} + (t\overrightarrow{AB})\cdot(t\overrightarrow{AB}) \\ &= \lvert\overrightarrow{AP}\rvert^{2} - 2t\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP} + t^{2}\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2}. \end{align*} $\displaystyle t = \frac{\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP}}{\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2}}$ を代入すると, \begin{align*} \lvert\overrightarrow{PH}\rvert^{2} &= \lvert\overrightarrow{AP}\rvert^{2} - \frac{2(\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP})^{2}}{\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2}} + \frac{(\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP})^{2}}{\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2}} \\ &= \frac{\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2}\lvert\overrightarrow{AP}\rvert^{2} - (\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP})^{2}}{\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2}}. \end{align*} 恒等式 $(a^{2} + b^{2})(c^{2} + d^{2}) = (ac + bd)^{2} + (ad - bc)^{2}$ を用いれば, $$ \lvert\overrightarrow{PH}\rvert^{2} = \frac{\det(\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AP})^{2}}{\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2}}. $$ 両辺について平方根をとれば, 求める等式が得られる. (証明終)

別証

二つのベクトル $\overrightarrow{AB}$, $\overrightarrow{AP}$ の張る平行四辺形は, 底辺の長さが $\lvert\overrightarrow{AB}\rvert$, 高さが $\lvert\overrightarrow{PH}\rvert$, 面積が $\lvert\det(\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AP})\rvert$ である. よって, $$ \lvert\overrightarrow{AB}\rvert\lvert\overrightarrow{PH}\rvert = \lvert\det(\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AP})\rvert. $$ これより, 求める等式が得られる. (証明終)

点 H が線分 AB 上にあるための条件

点 $H$ が線分 $AB$ 上にあるためには, $0\leq t\leq 1$ であることが必要十分である. つまり, $$ 0\leq\frac{\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP}}{\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2}}\leq 1. $$ この条件は, 分母を払って, $$ 0\leq\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP}\leq\lvert\overrightarrow{AB}\rvert^{2} $$ と書き直せる.

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【genre : 学問・文化・芸術

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