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行列式に関するある公式

2 つの 2 次元ベクトルの成分を並べてできる行列の行列式に関する公式。あるいは、行列式の符号の決定。

※ MathJax を使用しています。数式を表示するためには、JavaScript をオンにする必要があります。

二つの $2$ 次元ベクトル $\boldsymbol{a}=\begin{bmatrix} a_{1} \\ a_{2} \end{bmatrix}$, $\boldsymbol{b}=\begin{bmatrix} b_{1} \\ b_{2} \end{bmatrix}$ に対して, $$ \det(\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}) = \det\begin{bmatrix} a_{1} & b_{1} \\ a_{2} & b_{2} \end{bmatrix} = a_{1}b_{2} - b_{1}a_{2} $$ と定める.

公式

$\boldsymbol{a}$ と $\boldsymbol{b}$ とのなす角 $\theta$ ($0\leq\theta<2\pi$) を, $\boldsymbol{a}$ から $\boldsymbol{b}$ まで, $x$ 軸の正方向から $y$ 軸の正方向に向かって回転する向きに測ったときの角度とすると, \begin{equation} \det(\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}) = \lVert\boldsymbol{a}\rVert\lVert\boldsymbol{b}\rVert\sin{\theta} \tag{1} \end{equation} が成り立つ. ここで, $\lVert\boldsymbol{a}\rVert$, $\lVert\boldsymbol{b}\rVert$ はそれぞれ $\boldsymbol{a}$, $\boldsymbol{b}$ の長さである.

証明

$\boldsymbol{a}=\boldsymbol{0}$ または $\boldsymbol{b}=\boldsymbol{0}$ のときは明らかなので, $\boldsymbol{a}$, $\boldsymbol{b}$ はともの零ベクトルでないとする. そのとき, $\lVert\boldsymbol{a}\rVert$ も $\lVert\boldsymbol{b}\rVert$ も正である. $0\leq\theta\leq\pi$ のとき, $\lVert\boldsymbol{a}\rVert\lVert\boldsymbol{b}\rVert\sin{\theta}$ は $\boldsymbol{a}$, $\boldsymbol{b}$ の張る平行四辺形の面積であり, $$ \lvert\det(\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b})\rvert = \lVert\boldsymbol{a}\rVert\lVert\boldsymbol{b}\rVert\sin{\theta}. $$ 一方, $0<\theta<\pi$ のとき, 単位ベクトルの組 $\boldsymbol{e}_{1}=\begin{bmatrix} 1 \\ 0 \end{bmatrix}$, $\boldsymbol{e}_{2}=\begin{bmatrix} 0 \\ 1 \end{bmatrix}$ から $\boldsymbol{a}$, $\boldsymbol{b}$ まで連続的に一次独立性を失わずに移ることができ, $\det(\boldsymbol{e}_{1}, \boldsymbol{e}_{2}) = 1 > 0$ であるから, $\det(\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}) > 0$ である. したがって, $0\leq\theta\leq\pi$ のとき, $\det(\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}) = \lvert\det(\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b})\rvert$ となり, (1) が成り立つ.

また, 上述の意味での $\boldsymbol{b}$ と $\boldsymbol{a}$ とのなす角は $2\pi-\theta$ である. $\pi < \theta < 2\pi$ のとき, $0<2\pi-\theta<\pi$ であるから, \begin{align*} \det(\boldsymbol{b}, \boldsymbol{a}) &= \lVert\boldsymbol{b}\rVert\lVert\boldsymbol{a}\rVert\sin{(2\pi-\theta)} \\ &= \lVert\boldsymbol{a}\rVert\lVert\boldsymbol{b}\rVert\sin{(-\theta)} \\ &= -\lVert\boldsymbol{a}\rVert\lVert\boldsymbol{b}\rVert\sin{\theta}. \end{align*} $\det(\boldsymbol{b}, \boldsymbol{a}) = -\det(\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b})$ は定義より直ちに確かめられる. ゆえに, $\pi<\theta<2\pi$ のときも (1) が成り立つ. (証明終)

参考文献

  • 齋藤正彦:線形代数入門, 東京大学出版会, 1966.

【theme : 数学
【genre : 学問・文化・芸術

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