線形変換の固有多項式についての練習問題

線形変換の固有多項式についての練習問題とその解答例。次の記事で使用する予定。

※ MathJax を使用しています。数式を表示するためには、JavaScript をオンにする必要があります。

問題

$V$, $V'$ を複素数体 $\mathbb{C}$ 上の線形空間, $f:V\rightarrow V'$ を線形同型, $T:V\rightarrow V$ を $V$ の線形変換, $T':V'\rightarrow V'$ を $V'$ の線形変換とし, $$ T' = f^{-1}\circ T\circ f $$ を満たすとする. さらに, $I_{V}$ を $V$ の恒等変換, $I_{V'}$ を $V'$ の恒等変換とする. このとき, 任意の $t\in\mathbb{C}$ に対して, $$ \det(I_{V}-tT\mid V) = \det(I_{V'}-tT'\mid V') $$ が成り立つことを証明せよ. ただし, 線形変換の行列式は, その表現行列の行列式として定義される. 線形変換 $T$ の行列式は $\det T$ で表されるが, 線形空間 $V$ を明示するときは $\det(T\mid V)$ とも書かれる.

解答例

$V$ の線形変換 $T$ の表現行列を $M(T)$ とし, $V'$ の線形変換 $T'$ の表現行列を $M'(T')$ とすると, \begin{align*} \det(I_{V}-tT\mid V) &= \det(E - tM(T)), \\ \det(I_{V'} - tT'\mid V') &= \det(E - tM'(T')). \end{align*} 一方, $T' = f^{-1}\circ T\circ f$ より, ある正則行列 $P$ が存在して, $$ M'(T') = P^{-1}M(T)P $$ であるから, \begin{align*} \det(E - tM'(T')) &= \det(E - tP^{-1}M(T)P) \\ &= \det(P^{-1}(E-tM(T))P) \\ &= \det(P)^{-1}\det(E-tM(T))\det(P) \\ &= \det(E-tM(T)). \end{align*} ゆえに, $\det(I_{V}-tT\mid V) = \det(I_{V'}-tT'\mid V')$.

【theme : 数学
【genre : 学問・文化・芸術

プロフィール

よしいず

Author:よしいず
MATHEMATICS.PDFというウェブサイトを運営しています。

管理の都合上、トラックバックとコメントはオフにしてあります。ブログ経験者なら分かっていただけると思いますが、スパム(アダルトやその他の宣伝)ばかりなのが現実です。

リンクは自由です。当サイトの記事に対する間違いの指摘・意見・感想などを述べた記事からのリンクは歓迎です。ただし、ブログ記事アップ直後はミスが多く、頻繁に修正します。場合によっては削除する可能性もあります。その際、何も断りもなく修正・削除しますがご了承ください。内容を参考にする場合には投稿後一週間ほど様子を見てからにしてください(笑)。

記事の間違いを指摘するときは、その具体的箇所、理由(仕様に反するなど)・根拠(参考にした文献など)、代替案(同じ結果を得るための正しいやり方)も教えてください。そうしないと、(指摘される側および第三者はその時点では無知の状態なので、)どこが間違いなのか分かりませんし、本当に間違っているのかどうかが判断・検証できません。実際、間違いだと指摘されたことが結局は正しかったというケースもありますので。

このブログのタイトル一覧

リンク
月別アーカイブ
カテゴリ
最新記事
検索フォーム
RSSリンクの表示