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ガロア理論

Galois 拡大と Galois 群の定義, および Galois の基本定理.

Galois 理論とは, Galois 拡大と呼ばれる体の拡大の中間体と, Galois 群と呼ばれる群の部分群とが一対一に対応することを述べた理論である.

2013 年 9 月 21 日更新。

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$K$ を体, $L$ を $K$ の有限次拡大体とする. また, $K[X]$ を $K$ 上の多項式環とする.

簡単のため, $K$, $L$ は代数体 (=複素数体 $\mathbb{C}$ の部分体) または有限体 (=元の個数が有限である体) であると仮定する.

拡大 $L/K$ に対して, $K\subseteq M\subseteq L$ を満たす体 $M$ のことを $L/K$ の中間体 (intermediate field) という. ここで, $K\subseteq M$ は $K$ が $M$ の部分体であることを表す. $M\subseteq L$ についても同様.

体 $L$ から $L$ 自身への (環の) 同型写像であって, $K$ への制限が $K$ 上の恒等写像であるものを, $L$ の $K$ 上の自己同型写像 (automorphism) といい, それらの全体を $\mathrm{Aut}(L/K)$ で表す. $\mathrm{Aut}(L/K)$ は, 積として写像の合成を考えると, 恒等写像を単位元, 逆写像を逆元とする群になる.

$\mathrm{Aut}(L/K)$ の部分群 $H$ に対して, $L/K$ の中間体 $$ L^{H} = \{ x\in L \mid \sigma(x) = x\; (\forall\sigma\in H) \} $$ を $H$ の固定体 (fixed field) という.

$f(X)\in K[X]\setminus K$ に対して, その根をすべて $K$ に添加して得られる $K$ の拡大体を, $f(X)$ の $K$ 上の最小分解体 (minimal splitting field) という.

拡大 $L/K$ が Galois 拡大 (Galois extension) であるとは, ある $f(X)\in K[X]\setminus K$ が存在して, $L$ が $f(X)$ の $K$ 上の最小分解体であるときにいう.

$L/K$ が Galois 拡大であるとき, $L$ の $K$ 上の自己同型写像全体からなる群 $\mathrm{Aut}(L/K)$ のことを $L/K$ の Galois 群 (Galois group) といい, $\mathrm{Gal}(L/K)$ で表す.

Galois 理論の主定理である Galois の基本定理 (fundamental theorem of Galois theory) とは, 以下の主張である.

$L/K$ を Galois 拡大, その Galois 群を $G=\mathrm{Gal}(L/K)$ とする. また, $G$ の部分群の全体を $\mathcal{H}$ とし, $L/K$ の中間体の全体を $\mathcal{M}$ とする. このとき, 写像 $$ \mathcal{M}\longrightarrow\mathcal{H},\quad M\longmapsto\mathrm{Gal}(L/M) $$ は全単射であり, その逆写像は $$ \mathcal{H}\longrightarrow\mathcal{M},\quad H\longmapsto L^{H} $$ である. また, 任意の $M\in\mathcal{M}$, $H\in\mathcal{H}$ に対して, $$ M = L^{\mathrm{Gal}(L/M)},\quad H = \mathrm{Gal}(L/L^{H}) $$ が成り立つ.

推進定理 (translation theorem) と呼ばれる以下の定理は, Galois 理論の応用上重要である.

体 $\Omega$ を $1$ つ固定する. $K$, $L$, $M$ を $\Omega$ の部分体とし, $L$, $M$ は $K$ の拡大体であり, $L/K$ は Galois 拡大であるとする. また, $LM$ を $\Omega$ における $L$, $M$ の合併体 (=$L$, $M$ を両方とも含む $\Omega$ の最小の部分体) とする. このとき, $LM/M$ は Galois 拡大であり, 群の同型写像 $$ \mathrm{Gal}(LM/M)\longrightarrow \mathrm{Gal}(L/L\cap M), \quad \sigma\longmapsto \sigma_{L} $$ が存在する. ただし, $\sigma_{L}$ は $\sigma$ の $L$ への制限写像である.

※ この定理は, $L/K$, $M/K$ の一方あるいは両方が無限次であっても成り立つ. $L/K$ が有限次ならば $LM/M$ も有限次である.

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