平均と分散
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平均
$\rho(x)$ を密度関数とする. このとき, $$ m = \int_{-\infty}^{\infty}x\rho(x)\,dx $$ を平均 (あるいは, 期待値) という. より一般に, $\mathbb{R}$ 上の実数値関数 $g(x)$ に対して, $$ \int_{-\infty}^{\infty}g(x)\rho(x)\,dx $$ を $g(x)$ の平均 (あるいは, 期待値) という.
$X$ を確率変数とするとき, $X$ の密度関数で定まる平均を $X$ の平均といい, $E(X)$ で表す. また, $X$ の密度関数で定まる $g(x)$ の平均を $E(g(X))$ で表す.
分散と標準偏差
$\rho(x)$ を密度関数とし, $a$ を実数とする. このとき, $$ \int_{-\infty}^{\infty}(x-a)^{2}\rho(x)\,dx\,(\geq 0) $$ を $a$ のまわりの分散という.
単に分散というときには, 平均 $m$ のまわりの分散 $$ \sigma^{2} = \int_{-\infty}^{\infty}(x-m)^{2}\rho(x)\,dx $$ のことを意味する. 分散の平方根 $\sigma$ ($\geq 0$) を標準偏差という.
$X$ を確率変数とするとき, その密度関数で定まる分散を $X$ の分散といい, $V(X)$ で表す. また, $\sqrt{V(X)}$ を $X$ の標準偏差という.
確率変数 $X$ の平均と分散について, $$ V(X) = E((X-E(X))^{2}) = E(X^{2}) - E(X)^{2} $$ が成り立つ.
積率母関数
$\rho(x)$ を密度関数とする. このとき, $\mathbb{R}$ 上の実数値関数 $$ M(t) = \int_{-\infty}^{\infty}\exp(tx)\rho(x)\,dx $$ を積率母関数という.
$X$ を確率変数とするとき, その密度関数で定まる積率母関数を $X$ の積率母関数といい, $M_{X}(t)$ で表す. 定義から, $M_{X}(t) = E(\exp(tX))$ である.
確率変数 $X$ の積率母関数と平均について, $$ \frac{d^{n}}{dt^{n}}M_{X}(0) = E(X^{n})\quad (n=0,\,1,\,2,\,\ldots) $$ が成り立つ.