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方程式x^p-y^2=1は非自明な整数解をもたない

※ MathJax を使用しています。数式を表示するためには、JavaScript をオンにする必要があります。

$K=\mathbb{Q}(i)$, $O_{K}=\mathbb{Z}[\sqrt{i}]$ とおく. ただし, $i=\sqrt{-1}$ は虚数単位とする. $O_{K}$ は $K$ の整数環である.

[補題] $p$ を素数, $r$ を整数とし, $1\leq r\leq p-1$ であるとする. このとき, 二項係数 $\displaystyle\binom{p}{r}$ は $p$ で割り切れる.

[証明] 二項係数 $\displaystyle\binom{p}{r}$ が整数であることは認めることにする. $$ \binom{p}{r} = \frac{p(p-1)\cdots(p-r+1)}{r!} $$ であるから, $$ r!\binom{p}{r} = p(p-1)\cdots(p-r+1). $$ ゆえに, $\displaystyle r!\binom{p}{r}$ は $p$ で割れる. $p$ は素数だから, $r!$ と $\displaystyle\binom{p}{r}$ のどちらかは必ず $p$ で割れる. もし仮に $r!$ が $p$ で割れるとすると, $1$, $2$, $\ldots$, $r$ のいずれかが $p$ で割れることになって, $1\leq r\leq p-1$ であることに矛盾する. ゆえに, $\displaystyle\binom{p}{r}$ が $p$ で割れなければならない. (証明終)

[定理] $p$ を奇素数とする. このとき, 方程式 $x^{p} - y^{2} = 1$ の整数解は $(x, y)=(1, 0)$ のみである.

[証明] $(x, y)$ を方程式 $x^{p} - y^{2} = 1$ の整数解とする.

もし仮に $y$ が奇数だとすると, $$ x^{p} = y^{2} + 1 \equiv 2\pmod{4}. $$ これより, $x$ は偶数だから, $x^{p}\equiv 0\pmod{4}$. これは矛盾である. ゆえに, $y$ は偶数である. このとき, $O_{K}$ において $y+i$, $y-i$ は互いに素である. また, $O_{K}$ において, $$ x^{p} = y^{2} + 1 = (y + i)(y - i) $$ と分解する. $O_{K}$ は素元分解整域だから, $y+i$, $y-i$ はそれぞれ $p$ 乗数の単数倍になる. $O_{K}$ のすべての単数は $\pm 1$, $\pm i$ であるが, $-1=(-1)^{p}$ であるから, $-1$ は $p$ 乗数である. したがって, ある $a$, $b\in\mathbb{Z}$ が存在して, $y+i = (a+b\,i)^{p}$ または $y+i = i(a+b\,i)^{p}$ と表すことができる.

(Case 1) $y+i = (a+b\,i)^{p}$ の場合. 右辺を二項定理を用いて展開し, 実部と虚部をそれぞれ比較すると, \begin{align*} y &= \sum_{k=0}^{(p-1)/2}\binom{p}{2k}a^{p-2k}b^{2k}(-1)^{k} = \mbox{$a$ の倍数}, \tag{1} \\ 1 &= \sum_{k=0}^{(p-1)/2}\binom{p}{2k+1}a^{p-(2k+1)}b^{2k+1}(-1)^{k} = \mbox{$b$ の倍数}. \tag{2} \end{align*} (2) の後半より $b=\pm 1$. よって, $b^{p}\,(-1)^{(p-1)/2}=\pm 1$. また, (2) の前半より $$ 1 \equiv b^{p}\,(-1)^{(p-1)/2} \pmod{p}. $$ $p$ は奇素数だから, $b^{p}\,(-1)^{(p-1)/2} = 1$ となる. このとき, (2) の前半は $$ 1 = (\mbox{$a$ の倍数}) + 1 $$ なる形なので, $a=0$ を得る. さらに, (1) の後半より, $y=0$. よって, $$ x^{p} = y^{2} + 1 = 1. $$ これより $x=1$ を得る.

(Case 2) $y+i = i(a+b\,i)^{p}$ の場合. 両辺に $-i$ を乗じると, $$  1-yi = (a+b\,i)^{p}. $$ 右辺を二項定理を用いて展開し, 実部と虚部をそれぞれ比較すると, \begin{align*} 1 &= \sum_{k=0}^{(p-1)/2}\binom{p}{2k}a^{p-2k}b^{2k}(-1)^{k} = \mbox{$a$ の倍数}, \tag{3} \\ -y &= \sum_{k=0}^{(p-1)/2}\binom{p}{2k+1}a^{p-(2k+1)}b^{2k+1}(-1)^{k} = \mbox{$b$ の倍数}. \tag{4} \end{align*} (3) の後半より $a=\pm 1$. よって, $a^{p}=\pm 1$. また, (3) の前半より $$ 1 \equiv a^{p} \pmod{p}. $$ $p$ は奇素数だから, $a^{p} = 1$ となる. このとき, (3) の前半は $$ 1 = 1 + (\mbox{$b$ の倍数}) $$ なる形なので, $b=0$ を得る. さらに, (4) の後半より, $y=0$. あとの議論は (Case 1) と同様. (証明終)

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