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方程式x^3-y^2=5は整数解をもたない

※ MathJax を使用しています。数式を表示するためには、JavaScript をオンにする必要があります。

$K=\mathbb{Q}(\sqrt{-5})$, $O_{K}=\mathbb{Z}[\sqrt{-5}]$ とおく. $O_{K}$ は $K$ の整数環である. 特に, $O_{K}$ は Dedekind 整域であり, イデアル論の基本定理が成り立つ.

[補題] $a\in\mathbb{Z}$ とし, $a$ は偶数かつ $\gcd(a, 5)=1$ であるとする. このとき, $O_{K}$ の単項イデアル $(a+\sqrt{-5})$, $(a-\sqrt{-5})$ は互いに素である.

[証明] $\alpha=a+\sqrt{-5}$, $\beta=a-\sqrt{-5}$ とおく. もし仮に $O_{K}$ の単項イデアル $(\alpha)$, $(\beta)$ が互いに素でないとすると, それらの公約因子であるような素イデアル $P$ が存在する. \begin{align*} (\alpha),\,(\beta)\subseteq P &\Longrightarrow \alpha, \beta\in P \\ &\Longrightarrow \alpha+\beta,\,\alpha-\beta\in P \\ &\Longrightarrow 2a,\,2\sqrt{-5}\in P \\ &\Longrightarrow (2a), (2\sqrt{-5})\subseteq P \end{align*} であるから, $P$ は単項イデアル $(2a)=(2)(a)$, $(2\sqrt{-5})=(2)(\sqrt{-5})$ を割る. $\gcd(a, 5)=1$ であるから, ある $u$, $v\in\mathbb{Z}$ が存在して, $$ 1 = au+5v \in (a)+(\sqrt{-5}). $$ すなわち, 単項イデアル $(a)$, $(\sqrt{-5})$ は互いに素である. よって, $P$ は $(a)$, $(\sqrt{-5})$ の少なくとも一方は割らない. したがって, $P$ は $(2)$ を割る. $(2)$ は $K/\mathbb{Q}$ で分岐するから, $(2)=P^{2}$. 一方, $P$ は $(\alpha)$, $(\beta)$ の公約因子であったから, 単項イデアル $(a^{2}+5)=(\alpha)(\beta)$ は $P^{2}$ で割り切れる. ゆえに, $a^{2}+5\in (2)=2O_{K}$. すなわち, ある $c$, $d\in\mathbb{Z}$ が存在して, $$ a^{2}+5 = 2(c+d\sqrt{-5}). $$ これより, $a^{2}+5=2c\in 2\mathbb{Z}$. ところが, これは $a$ が偶数であることに反する. (証明終)

[定理] 方程式 $x^{3} - y^{2} = 5$ の整数解は存在しない.

[証明] 背理法により証明する. 方程式 $x^{3} - y^{2} = 5$ の整数解 $(x, y)$ が存在すると仮定する.

もし仮に $y$ が奇数だとすると, $$ x^{3} = y^{2} + 5 \equiv 2\pmod{4}. $$ これより, $x$ は偶数だから, $x^{3}\equiv 0\pmod{4}$. これは矛盾である. ゆえに, $y$ は偶数である.

もし仮に $5$ が $y$ を割るとすると, $$ 3\mathrm{ord}_{5}(x) = \mathrm{ord}_{5}(x^{3}) = \mathrm{ord}_{5}(y^{2} + 5) = 1. $$ これは不可能である. ゆえに, $\gcd(y, 5)=1$ である.

$y$ は偶数かつ $\gcd(y, 5)=1$ であるから, 補題より, $O_{K}$ の単項イデアル $(y+\sqrt{-5})$, $(y-\sqrt{-5})$ は互いに素である. $$ (x)^{3} = (y^{2}+5) = (y+\sqrt{-5})(y-\sqrt{-5}) $$ であるから, ある整イデアル $J$ が存在して $(y+\sqrt{-5})=J^{3}$ と表せる. $K$ の類数は $2$ であるから, $J^{2}$ は単項, したがって $J$ 自身が単項イデアルである. そこで, $J=(a+b\sqrt{-5})$, $a$, $b\in\mathbb{Z}$ とおく. $K$ の単数は $\pm 1$ のみであり, どちらも $3$ 乗数である. 実際, $\pm 1 = (\pm 1)^{3}$ (複号同順). よって, $\pm(a+b\sqrt{m})$ を改めて $a+b\sqrt{m}$ とおき, $$ y + \sqrt{-5} = (a+b\sqrt{-5})^{3} $$ であるとしてよい. 右辺を展開して $\sqrt{-5}$ の係数を比較すると, $$ 1 = 3a^{2}b - 5b^{3} = b(3a^{2}-5b^{2}). $$ よって, $$ b = \pm 1,\quad 3a^{2}-5b^{2}=\pm 1. $$ これより $3a^{2}-5=\pm 1$ を得るが, これを満たす $\mathbb{Z}$ の元 $a$ は存在しない. (証明終)

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