2次体のイデアル類群と類数の計算例(m=-5)

2 次体のイデアル類群と類数の計算例。

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$K=\mathbb{Q}(\sqrt{m})$, $m=-5$ とおく.

$d(K)$ を $K$ の判別式, $O_{K}$ を $K$ の整数環とする. $m\equiv 3\pmod{4}$ であるから, $O_{K}=\mathbb{Z}[\sqrt{m}]$, $d(K)= 4m = -20$ である.

$n=[K:\mathbb{Q}]=2$ とおく. $r_{1}$ を実の共役体の個数, $2r_{2}$ を虚の共役体の個数とすると, $n=r_{1}+2r_{2}$. $K$ は虚 $2$ 次体であるから, $r_{1}=0$, $r_{2}=1$.

Minkowski の定数 $M_{K}$ を計算すると, $$ M_{K} = \left(\frac{4}{\pi}\right)^{r_{2}}\frac{n!}{n^{n}}\sqrt{\lvert d(K)\rvert} = \frac{2}{\pi}\sqrt{20} = 2.84\cdots < 3. $$ ゆえに, すべてのイデアル類は, ノルムが $2$ 以下の整イデアルを含む. そこで, $2$ 以下の有理素数について, $K/\mathbb{Q}$ での素イデアル分解の様子を調べる.

$K$ の元 $\alpha$ に対し, $\alpha$ の $K/\mathbb{Q}$ に関するノルムを $N_{K/\mathbb{Q}}(\alpha)$ で表す. また, $K$ のイデアル $I$ に対し, $I$ のノルムを $N(I)$ で表す.

$f(X)\in\mathbb{Q}[X]$ を $\sqrt{m}$ の $\mathbb{Q}$ 上の最小多項式とすると, $f(X)=X^{2}+5$ である. $$ f(X)\equiv X^{2}\pmod{2} $$ であるから, 各々の有理素数の $K/\mathbb{Q}$ での素イデアル分解は, \begin{align*} &(2) = P_{2}^{2},\quad N(P_{2}) = 2, \\ &P_{2} = (2, \sqrt{-5}). \end{align*} ノルムが $2$ 以下の整イデアルは $(1)$, $P_{2}$ の $2$ つである. よって, $K$ の類数 (=$K$ のイデアル類群の位数) は $2$ 以下である.

$\mathcal{C}_{K}$ を $K$ のイデアル類群, $h_{K}$ を $K$ の類数とする. $K$ のイデアル $I$ に対し, $I$ が属するイデアル類を $[I]$ で表す.

もし仮に $P_{2}$ が単項イデアルであるとすると, $$ P_{2} = (a+b\sqrt{-5}),\quad a,\,b\in\mathbb{Z} $$ と表されるから, $$ 2 = N(P_{2}) = \lvert N_{K/\mathbb{Q}}(a+b\sqrt{-5})\rvert = a^{2} + 5b^{2}. $$ これを満たす有理整数 $a$, $b$ は存在しない. よって, $P_{2}$ は単項イデアルでない. すなわち, $[P_{2}]\neq [(1)]$. さらに, $$ [P_{2}]^{2} = [P_{2}^{2}] = [(2)] = [(1)]. $$ ゆえに, $\mathcal{C}_{K}$ における $[P_{2}]$ の位数は $2$ である. したがって, $\mathcal{C}_{K}$ は $[P_{2}]$ で生成される位数 $2$ の巡回群であり, $h_{K}=2$ である.

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