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二項係数のp指数に関するKummerの結果

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[定理 (Kummer)] $a$, $b$ を正の整数とし, それらの $p$ 進展開を \begin{alignat*}{2} a &= \sum_{k=0}^{r}a_{k}p^{k},&\quad& 0\leq a_{k}\leq p-1, \\ b &= \sum_{k=0}^{r}b_{k}p^{k},&\quad& 0\leq b_{k}\leq p-1 \end{alignat*} とする. ただし, $a_{r}\neq 0$ または $b_{r}\neq 0$ であるとする. また, $\varepsilon_{k}$ ($k=0$, $1$, $\ldots$, $r$) を次のように帰納的に定義する. \begin{align*} \varepsilon_{0} &= \left\lfloor\frac{a_{0}+b_{0}}{p}\right\rfloor, \\ \varepsilon_{k} &= \left\lfloor\frac{\varepsilon_{k-1}+a_{k}+b_{k}}{p}\right\rfloor \quad (k=1,\,2,\,\ldots,\,r). \end{align*} このとき, 各 $\varepsilon_{k}$ の値は $0$ または $1$ であり, 二項係数 $$ \binom{a+b}{a} = \frac{(a+b)!}{a!\,b!} $$ の $p$ 指数は $\displaystyle\sum_{k=0}^{r}\varepsilon_{k}$ に一致する.

[証明] まず, 各 $\varepsilon_{k}$ の値が $0$ または $1$ であることは, 各番号 $k$ について $0\leq a_{k}+b_{k}\leq 2p-2$ であることからわかる.

次に, 階乗数の $p$ 指数に関する Legendre の定理から, \begin{align*} \mathrm{ord}_{p}(a!) &= \frac{1}{p-1}\left( a - \sum_{k=0}^{r}a_{k} \right), \\ \mathrm{ord}_{p}(b!) &= \frac{1}{p-1}\left( b - \sum_{k=0}^{r}b_{k} \right). \end{align*} よって, \begin{align*} \mathrm{ord}_{p}(a!\,b!) & = \mathrm{ord}_{p}(a!)+\mathrm{ord}_{p}(b!) \\ & = \frac{1}{p-1}\left( (a + b) - \sum_{k=0}^{r}(a_{k}+b_{k}) \right). \end{align*} $(a + b)!$ の $p$ 指数を計算するために, $c_{k}$ ($k=0$, $1$, $\ldots$, $r$) を次のように帰納的に定義する. \begin{align*} c_{0} &= (a_{0} + b_{0}) - \varepsilon_{0}p, \\ c_{k} &= (\varepsilon_{k-1} + a_{k} + b_{k}) - \varepsilon_{k}p \quad (k=1,\,2,\,\ldots,\,r). \end{align*} $p$ で割ったときの商が $\varepsilon_{k}$ であり, 剰余が $c_{k}$ であることに注意すると, $0\leq c_{k}\leq p-1$ であることがわかる. また, $c_{k}$ を定める漸化式から, $$ \sum_{k=0}^{r}c_{k}p^{k} = a + b - \varepsilon_{r}p^{r+1} $$ が得られる. 移項すると, $$ a + b = \sum_{k=0}^{r}c_{k}p^{k} + \varepsilon_{r}p^{r+1}. $$ これは $a + b$ の $p$ 進展開である. さらに, 再び $c_{k}$ を定める漸化式から, $$ \sum_{k=0}^{r}c_{k} = \sum_{k=0}^{r}(a_{k}+b_{k}) + \sum_{k=0}^{r-1}\varepsilon_{k} - p\sum_{k=0}^{r}\varepsilon_{k}. $$ ゆえに, Legendre の定理により, \begin{align*} \mathrm{ord}_{p}((a+b)!) &= \frac{1}{p-1}\left( (a + b) - \sum_{k=0}^{r}c_{k} - \varepsilon_{r} \right) \\ &= \frac{1}{p-1}\left( (a + b) - \sum_{k=0}^{r}(a_{k}+b_{k}) + (p-1)\sum_{k=0}^{r}\varepsilon_{k} \right). \end{align*} したがって, $\displaystyle\binom{a+b}{a}$ の $p$ 指数は \begin{align*} \mathrm{ord}_{p}\left(\binom{a+b}{a}\right) &= \mathrm{ord}_{p}\left(\frac{(a+b)!}{a!\,b!}\right) \\ &= \mathrm{ord}_{p}((a+b)!) - \mathrm{ord}_{p}(a!\,b!) \\ &= \sum_{k=0}^{r}\varepsilon_{k} \end{align*} である. (証明終)

参考文献

  • Ribenboim (著), 吾郷孝視 (訳): 素数の世界 その探索と発見, 共立出版, 1995.

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