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Euler関数の下からの素朴な評価と極限値 (2)

※ MathJax を使用しています。数式を表示するためには、JavaScript をオンにする必要があります。

正の整数 $n$ に対して, $1$ から $n$ までの整数のうち $n$ と互いに素なものの個数を $\varphi(n)$ で表す. こうして定まる関数 $\varphi(n)$ を Euler 関数という.

[補題] $a>1$ を実数, $m\geq 2$ を整数とする. このとき, $\sqrt{a^{m}} \leq a^{m-1}$ が成り立つ. 等号が成立するための必要十分条件は $m=2$ である.

[証明] $a$ と $m$ について与えられた条件から, $$ 1\leq a^{m-2}. $$ 両辺に $a^{m}$ を掛けると, $$ a^{m}\leq a^{m-2}a^{m} = a^{2(m-1)}. $$ 平方根をとると, 求める不等式が得られる.

$m>2$ のとき, 上の議論において $\leq$ を $<$ に置き換えられるから, 等号は成立しない. $m=2$ のとき, 等号が成立することは直接確かめられる. (証明終)

[補題] $k\geq 3$ を整数とする. このとき, 任意の実数 $a\geq k$ に対して, $\sqrt{(k-2)a} < a - 1$ が成り立つ.

[証明] 関数 $f(x)=x^{2} - kx + 1$ を考える. 微分すると $f'(x)=2x-k$ であり, $x\geq k$ ならば $f'(x)>0$ である. さらに, $f(k)=1>0$. ゆえに, $x\geq k$ で常に $f(x)>0$ である. したがって, $$ 0 < f(a) = a^{2} - ka + 1 = (a-1)^{2} - (k-2)a. $$ 両辺に $(k-2)a$ を加えると, $$ (k-2)a < (a-1)^{2}. $$ 平方根をとると, 求める不等式が得られる. (証明終)

[補題] 任意の実数 $a\geq 3$ と任意の整数 $m\geq 1$ に対して, $\sqrt{a^{m}} < a^{m-1}(a-1)$ が成り立つ.

[証明] $m\geq 2$ の場合, 一番目の補題より $$ \sqrt{a^{m}} \leq a^{m-1} < a^{m-1}(a-1). $$

$m=1$ の場合, 二番目の補題 ($k=3$ の場合) より求める不等式が得られる. (証明終)

[定理] 任意の整数 $n\geq 7$ に対して, $\sqrt{n}<\varphi(n)$ が成り立つ.

[証明] 最初に, $n$ が正の奇数である場合 ($n\geq 7$ でなくてもよい) を証明する. $$ n = p_{1}^{e_{1}}\cdots p_{r}^{e_{r}},\quad e_{i}\geq 1 $$ を素因数分解とする. ただし, 各 $p_{i}$ は奇素数とする. 各番号 $i$ について, 三番目の補題より, $$ \varphi(p_{i}^{e_{i}}) = p^{e_{i}-1}(p-1) > \sqrt{p^{e_{i}}}. $$ ゆえに, $$ \varphi(n) = \varphi(p_{1}^{e_{1}})\cdots\varphi(p_{r}^{e_{r}}) > \sqrt{p_{1}^{e_{1}}\cdots p_{r}^{e_{r}}} = \sqrt{n}. $$

次に, $n$ が正の偶数である場合を証明する. $n=2^{i}m$ ($i\geq 1$ は整数, $m\geq 1$ は奇数) とおくと, $$ \varphi(n) = \varphi(2^{i}m) = \varphi(2^{i})\varphi(m) = 2^{i-1}\varphi(m). $$

$m=1$ のとき. $n=2^{i}$ であり, $n\geq 7$ という仮定より $i\geq 3$ である. ゆえに, 一番目の補題より, $$ \varphi(n) = 2^{i-1}>\sqrt{2^{i}} = \sqrt{n}. $$

$m\geq 3$ かつ $i=1$ のとき. $n=2m$ であり, $n\geq 7$ という仮定より, $m\geq 5$. ゆえに, 二番目の補題 ($k=4$ の場合) より, $$ \varphi(n) = \varphi(m) > \sqrt{2m} = \sqrt{n}. $$

$m\geq 3$ かつ $i\geq 2$ のとき. 一番目の補題より, $\sqrt{2^{i}}\leq 2^{i-1}$. これと奇数の場合の結果より, $$ \varphi(n) = 2^{i-1}\varphi(m) \geq \sqrt{2^{i}}\,\varphi(m) > \sqrt{2^{i}}\,\sqrt{m} = \sqrt{n}. $$

以上で, すべての場合について不等式が証明された. (証明終)

[系] $\displaystyle \lim_{n\to\infty}\varphi(n)=\infty$.

[証明] 上の定理と $\sqrt{n}\to\infty$ ($n\to\infty$) よりわかる. (証明終)

【theme : 数学
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