すべての素数の逆数の和は無限大に発散する

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各整数 $N\geq 1$ に対して, $N$ 以下のすべての素数 $p$ の逆数の和 $\displaystyle\sum_{p\leq N}\frac{1}{p}$ を $S_{N}$ とおく.

[定理] $\displaystyle\lim_{N\to\infty}S_{N}=\infty$.

[証明] $N\geq 1$ を任意の整数とする. すべての正の整数 $n$ ($\leq N$) は, 素数 $p$ ($\leq n\leq N$) の冪積で表され, 各 $p$ の指数は $\log_{p}n$ ($\leq \log_{p}N$) 以下であるから, \begin{align*} \sum_{n=1}^{N}\frac{1}{n} &\leq \prod_{p\leq N}\left( \sum_{k=1}^{\lfloor\log_{p}N\rfloor}\frac{1}{p^{k}} \right) \\ &\leq \prod_{p\leq N}\left( \sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{p^{k}} \right) \\ &=\prod_{p\leq N}\left( 1-\frac{1}{p} \right)^{-1}. \end{align*} 対数をとると, \begin{align*} \log\sum_{n=1}^{N}\frac{1}{n} &\leq\log\prod_{p\leq N}\left( 1-\frac{1}{p} \right)^{-1} \\ &=-\sum_{p\leq N}\log\left( 1-\frac{1}{p} \right). \end{align*} 各素数 $p$ に対して \begin{align*} -\log\left( 1-\frac{1}{p} \right) &= \sum_{m=1}^{\infty}\frac{1}{mp^{m}} \leq \sum_{m=1}^{\infty}\frac{1}{p^{m}} \\ &= \frac{1}{p}\left(1-\frac{1}{p}\right)^{-1} = \frac{1}{p}\,\frac{p}{p-1} \\ &= \frac{1}{p}\left(1 + \frac{1}{p-1}\right) = \frac{1}{p} + \frac{1}{p(p-1)} \\ &< \frac{1}{p} + \frac{1}{p^{2}} \end{align*} であるから, \begin{align*} -\sum_{p\leq N}\log\left( 1-\frac{1}{p} \right) &< \sum_{p\leq N}\frac{1}{p} + \sum_{p\leq N}\frac{1}{p^{2}} \\ &\leq \sum_{p\leq N}\frac{1}{p} + \sum_{n=1}^{N}\frac{1}{n^{2}}. \end{align*} ゆえに, $$ \log\sum_{n=1}^{N}\frac{1}{n} \leq \sum_{p\leq N}\frac{1}{p} + \sum_{n=1}^{N}\frac{1}{n^{2}}. $$ 移項すると, $$ \log\sum_{n=1}^{N}\frac{1}{n} - \sum_{n=1}^{N}\frac{1}{n^{2}} \leq \sum_{p\leq N}\frac{1}{p}. $$ $N\to\infty$ とすると, $\displaystyle\sum_{n=1}^{N}\frac{1}{n^{2}}$ は収束する. $\displaystyle\sum_{n=1}^{N}\frac{1}{n}\to\infty$ であるから, $\displaystyle\log\sum_{n=1}^{N}\frac{1}{n}\to\infty$. したがって, $\displaystyle\sum_{p\leq N}\frac{1}{p}\to\infty$ となる. (証明終)

上の定理は, 素数が無限に多く存在することを含意している. 実際, もし素数が有限個しか存在しないとすれば, 最大の素数 $q$ が存在し, $$ S_{q} = S_{q+1} = S_{q+2} = \cdots $$ となるから, $$ \lim_{N\to\infty}S_{N} = S_{q} < \infty. $$ この対偶を考えると, 上の定理から素数が無限に多く存在することが導かれる.

各整数 $n\geq 1$ に対して, 小さい方から数えて $n$ 番目の素数を $p_{n}$ とおく. これにより, 数列 $(p_{n})$ が定まる.

[定理] $\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{p_{n}}=\infty$.

[証明] 各整数 $N\geq 1$ に対して, 第 $N$ 部分和 $\displaystyle\sum_{n=1}^{N}\frac{1}{p_{n}}$ は $S_{p_{N}}$ に等しい. 上の定理より数列 $(S_{N})$ は $\infty$ に発散するから, その部分列 $(S_{p_{N}})$ もまた $\infty$ に発散する. したがって, $$ \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{p_{n}} = \lim_{N\to\infty}S_{p_{N}} = \infty $$ となる. (証明終)

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