楕円関数の定義

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領域 $D$ 上の複素関数 $f(z)$ が点 $a\in D$ において正則 (= $a$ のある近傍で正則) であるかまたは極をもつとき, $f(z)$ は $a$ で有理型であるという. $D$ のすべての点で有理型であるとき, $f(z)$ は $D$ で有理型であるといい, $f(z)$ を $D$ 上の有理型関数という.

[例] 有理関数 (=有理式で表される関数) は $\mathbb{C}$ 上の有理型関数である.

[例] $\tan z$ は $\mathbb{C}$ 上の有理型関数である.

$f(z)$ を $\mathbb{C}$ 上の複素関数とし, $\omega\in\mathbb{C}$ とする. $$ f(z + \omega) = f(z)\quad (\forall z\in\mathbb{C}) $$ が成り立つとき, $\omega$ を $f(z)$ の周期という. また, そのような $\omega$ が存在するとき, $f(z)$ を周期関数という. $f(z)$ の周期の全体からなる集合は $\mathbb{Z}$ 加群 (=加法群) をなす.

[例] 指数関数 $e^{z}$ は周期 $2\pi i$ の周期関数である.

[例] 三角関数 $\sin z$, $\cos z$ は周期 $2\pi$ の周期関数である.

$\omega_{1}$, $\omega_{2}\in\mathbb{C}$ が $f(z)$ の $2$ 重周期であるとは, $\omega_{1}$, $\omega_{2}$ が $\mathbb{R}$ 上 $1$ 次独立かつ両方とも $f(z)$ の周期であるときにいう. また, そのような $\omega_{1}$, $\omega_{2}$ が存在するとき, $f(z)$ を $2$ 重周期関数という.

$\mathbb{C}$ 上の有理型関数で $2$ 重周期をもつものを楕円関数という.

[例] 極をもたない楕円関数は定数だけである.

[例] $\omega_{1}$, $\omega_{2}\in\mathbb{C}$ とし, $\omega_{1}$, $\omega_{2}$ は $\mathbb{R}$ 上 $1$ 次独立であるとする. また, $\Omega=\mathbb{Z}\omega_{1}+\mathbb{Z}\omega_{2}$ とおく. Weierstrass の $\wp$ 関数 $$ \wp(z) = \frac{1}{z^{2}} + \sum_{\omega\in\Omega\setminus\{0\}}\left( \frac{1}{(z-\omega)^{2}} - \frac{1}{\omega^{2}} \right) $$ は, $\omega_{1}$, $\omega_{2}$ を周期にもち, 原点において位数 $2$ の極をもつ楕円関数である.

[例] Jacobi の楕円関数 $\mathop{\mathrm{sn}}u$, $\mathop{\mathrm{cn}}u$, $\mathop{\mathrm{dn}}u$.

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