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一変数の整数係数多項式は素数を表さない

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整数係数多項式 $f(X_{1},X_{2},\ldots,X_{n})$ が素数を表すとは, 任意の正の整数 $a_{1}$, $a_{2}$, $\ldots$, $a_{n}$ に対して $$ f(a_{1},a_{2},\ldots,a_{n})>0 \Longrightarrow \mbox{$f(a_{1},a_{2},\ldots,a_{n})$ は素数} $$ であり, 任意の素数 $p$ に対して, ある正の整数 $b_{1}$, $b_{2}$, $\ldots$, $b_{n}$ が存在して $$ f(b_{1},b_{2},\ldots,b_{n}) = p $$ が成り立つときにいう. 明らかに, 多項式が定数ならば素数を表さない.

[定理] $f(X)$ を定数でない整数係数多項式とし, その最高次係数は正であるとする. このとき, 無限に多くの整数 $n$ が存在して $f(n)$ は合成数になる.

[証明] $f(X)$ の最高次係数は正なので, $f(n)\to\infty$ ($n\to\infty$) である. よって, ある整数 $N>0$ が存在して, $n\geq N$ を満たす任意の整数 $n$ に対して $f(n)>1$ となる. $$ f(X) = \sum_{i=0}^{m}a_{i}X^{i},\quad a_{m}>0 $$ と表すとき, $$ y = f(N) = \sum_{i=1}^{m}a_{i}N^{i} $$ とおくと, $y>1$ である. また, 任意の整数 $r\geq 1$ に対して, $ry+N\geq N$ より, $f(ry+N)>1$. さらに, \begin{align*} f(ry + N) &= \sum_{i=0}^{m}a_{i}(ry+N)^{i} = a_{0} + \sum_{i=1}^{m}a_{i}(ry+N)^{i} \\ &= a_{0} + \sum_{i=1}^{m}a_{i}\left( \sum_{j=0}^{i}\binom{i}{j}(ry)^{i-j}N^{j}\right) \\ &= a_{0} + \sum_{i=1}^{m}a_{i}\left( N^{i} + \sum_{j=0}^{i-1}\binom{i}{j}(ry)^{i-j}N^{j}\right) \\ &= \sum_{i=0}^{m}a_{i}N^{i} + \sum_{i=1}^{m}a_{i}ry\left( \sum_{j=0}^{i-1}\binom{i}{j}(ry)^{i-j-1}N^{j}\right) \\ &= y\left( 1 + \sum_{i=1}^{m}a_{i}r\left( \sum_{j=0}^{i-1}\binom{i}{j}(ry)^{i-j-1}N^{j}\right)\right). \end{align*} ゆえに, $f(ry+N)$ は $y$ の正の倍数である. 異なる $r$ に対しては異なる $ry+N$ が対応する. 一方, 多項式 $f(X)-y$ の根は有限だから, 方程式 $f(X)=y$ の解は有限個しかない. したがって, 無限に多くの $r$ に対して $f(ry+N)$ は合成数である. (証明終)

[系] $1$ 変数の整数係数多項式は素数を表さない.

[証明] $f(X)$ を $1$ 変数の整数係数多項式とする. $f(X)$ が定数のときは自明である. $f(X)$ が定数でないとき, $f(X)$ の最高次係数が正の場合, 前定理より $f(X)$ は素数を表す多項式ではないことがわかる. $f(X)$ の最高次係数が負の場合, $f(n)\to-\infty$ ($n\to\infty$) であるから, ある整数 $N>0$ が存在して, 任意の整数 $n\geq N$ に対して $f(n)<0$. よって, $f(n)>0$ を満たす正の整数 $n$ は有限個しかない. すなわち, $$ P=\{n\mid \mbox{$n$ は正の整数かつ $f(n)>0$}\} $$ の元の個数は有限である. もし仮に $f(X)$ が素数を表すとすれば, 任意の素数 $p$ に対して, ある正の整数 $n_{p}$ が存在して $f(n_{p}) = p > 0$ が成り立つ. 特に, $n_{p}\in P$ である. しかも, 異なる $p$ に対しては異なる $n_{p}$ が取れる. 素数は無限に多く存在するから, $P$ は無限集合である. これは矛盾である. (証明終)

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