日韓通貨スワップ協定とは

日韓通貨スワップ協定とは、財務省・日本銀行と韓国銀行 (=韓国の中央銀行) との間で締結された、通貨危機の際に互いに通貨 (日本円と韓国ウォン) を融通しあうことを約束した取極 (とりきめ) である。東アジアの金融為替市場の安定を図ることを目的とし、短期の流動性供与を図るものである。

1997 年のアジア通貨危機のとき、韓国では、通貨ウォンが暴落し、外貨準備が不足し、対外債務の支払いができなくなり、デフォルト寸前のところで IMF の融資を受ける事態となった。日韓通貨スワップ協定締結後、日本経済新聞の記事によれば、2008 年秋のリーマン・ショック後には 8 ヶ月間に対円で 44 %下落、欧州債務問題が再燃した 2011 年 9 月にも 12.5 %下落した。だが、アジア通貨危機のときのような事態に陥らなかったのは、通貨スワップ協定が安全網の役割を果たしたおかげだという見方がある。

2001 年 7 月、チェンマイ・イニシアティブに基づき、財務省と韓国銀行との間で、上限 20 億ドルのドル・ウォン間の一方向スワップ取極 (日本から韓国へドルを供与) が締結された。その後、2006 年 2 月にそれまでの取極に変え、双方向スワップ取極が締結された。それぞれの自国通貨 (日本円または韓国ウォン) を米ドルにスワップすることを可能とし、日本は 100 億ドル、韓国は 50 億ドルをコミットした。

2005 年 5 月 27 日、チェンマイ・イニシアティブの枠組に沿って、日本銀行と韓国銀行との間で通貨スワップ取極が締結された。2007 年 7 月の期限が到来したときに、期限を 3 年間延長し、2010 年 7 月 3 日までとした。2010 年 6 月 22 日 の合意では、期限をさらに 3 年間延長し、2013 年 7 月 3 日までとした。また、引出限度額は締結当初 30 億ドルであった。リーマン・ショック後の 2008 年 12 月 12 日から一時的な総額措置がとられ 200 億ドルに引き上げられた。増額措置は何度か延長されたが、2010 年 4 月 30 日にはいったん終了した。

欧州債務問題を背景に、2011 年 10 月 19 日、日本銀行と韓国銀行の間で限度額を 30 億ドルから 300 億ドルに増額する期間 1 年の措置が取られた。また、財務省と韓国銀行との間で、限度額 300 億ドル、期間 1 年のドル・自国通貨の通貨スワップ取極を新たに締結した。以上の拡充と、2006 年 2 月に財務省と韓国銀行との間で締結された双方向スワップ取極の 100 億ドルとを合わせて、日本と韓国との間で、総額 130 億ドルから、総額 700 億ドルの通貨スワップ取極の締結となった。

ロイターの記事によれば、安住財務相は 2012 年 8 月 21 日の閣議後の会見で、2012 年 10 月期限の日韓通貨スワップ協定の拡大措置の延長について、今後どうするか現時点では白紙だと述べた。

参考 URL

財務省:チェンマイ・イニシアティブ(Chiang Mai Initiative: CMI)
日本銀行:海外中銀との協力 - 通貨スワップ取極等 - チェンマイ・イニシアティブ
財務省:日韓通貨スワップの総額700億ドルへの拡充について

【theme : 政治・経済・時事問題
【genre : 政治・経済

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