メビウスの反転公式の類似 (2)

※ MathJax を使用しています。数式を表示するためには、JavaScript をオンにする必要があります。

[定理] $F(x)$ を実数の区間 $[1, \infty)$ で定義された複素数値関数とし, $$ G(x) = \sum_{n\leq x}F\left(\frac{x}{n}\right)\log x $$ とおく. ただし, $\displaystyle\sum_{n\leq x}$ は $x$ 以下のすべての正の整数についての和をとることを意味する. このとき, $$ F(x)\log x + \sum_{n\leq x}F\left(\frac{x}{n}\right)\Lambda(n) = \sum_{n\leq x}\mu(n)G\left(\frac{x}{n}\right) $$ が成り立つ. ただし, $\mu(n)$ は Möbius 関数, $\Lambda(n)$ は von Mangoldt の関数である.

[証明] $x\geq 1$ を実数とする. このとき, \begin{align*} \sum_{n\leq x}\mu(n)G\left(\frac{x}{n}\right) &= \sum_{n\leq x}\mu(n)\sum_{m\leq x/n}F\left(\frac{x}{mn}\right)\log\frac{x}{n} \\ &= \sum_{n\leq x}\sum_{m\leq x/n}\mu(n)F\left(\frac{x}{mn}\right)\log\frac{x}{n}. \end{align*} また, $\mathbb{Z}^{+}$ を正の整数全体からなる集合とするとき, \begin{align*} & \{ (n, m)\in(\mathbb{Z}^{+})^{2} \mid \mbox{$n\leq x$ かつ $m\leq x/n$}\} \\ & = \{ (l/m, m)\in(\mathbb{Z}^{+})^{2} \mid \mbox{$l\leq x$ かつ $m$ は $l$ の約数}\} \end{align*} が成り立つから, \begin{align*} &\sum_{n\leq x}\sum_{m\leq x/n}\mu(n)F\left(\frac{x}{mn}\right)\log\frac{x}{n} \\ &\qquad = \sum_{l\leq x}\sum_{m \mid l}\mu\left(\frac{l}{m}\right)F\left(\frac{x}{l}\right)\log\frac{mx}{l} \\ &\qquad = \sum_{l\leq x}F\left(\frac{x}{l}\right)\sum_{m \mid l}\mu\left(\frac{l}{m}\right)\left(\log\frac{x}{l}+\log m\right) \\ &\qquad = \sum_{l\leq x}F\left(\frac{x}{l}\right)\log\frac{x}{l}\sum_{m \mid l}\mu\left(\frac{l}{m}\right) \\ &\qquad\qquad + \sum_{l\leq x}F\left(\frac{x}{l}\right)\sum_{m \mid l}\mu\left(\frac{l}{m}\right)\log m. \end{align*} 一方, $$ \sum_{m \mid l}\mu\left(\frac{l}{m}\right) = \sum_{m \mid l}\mu(m) = \begin{cases} 1, & \mbox{$l=1$ のとき}, \\ 0, & \mbox{$l>1$ のとき} \end{cases} $$ であるから, \begin{align*} &\sum_{l\leq x}F\left(\frac{x}{l}\right)\log\frac{x}{l}\sum_{m \mid l}\mu\left(\frac{l}{m}\right) \\ &\qquad = \sum_{l=1}F\left(\frac{x}{l}\right)\log\frac{x}{l}\cdot 1 = F(x). \end{align*} また, $$ \log l = \sum_{m\mid l}\Lambda(m) $$ であるから, Möbius の反転公式より $$ \Lambda(l) = \sum_{m \mid l}\mu\left(\frac{l}{m}\right)\log m. $$ したがって, $$ \sum_{n\leq x}\mu(n)G\left(\frac{x}{n}\right) = F(x)\log x + \sum_{l\leq x}F\left(\frac{x}{l}\right)\Lambda(l) $$ が成り立つ. (証明終)

参考文献

  • T. Tatuzawa and K. Iseki: On Selberg's Elementary Proof of the Prime-Number Theorem. Proc. Japan Acad., 27 (1951), pp. 340-342.

関連記事

メビウスの反転公式

【theme : 数学
【genre : 学問・文化・芸術

プロフィール

よしいず

Author:よしいず
MATHEMATICS.PDFというウェブサイトを運営しています。

管理の都合上、トラックバックとコメントはオフにしてあります。ブログ経験者なら分かっていただけると思いますが、スパム(アダルトやその他の宣伝)ばかりなのが現実です。

リンクは自由です。当サイトの記事に対する間違いの指摘・意見・感想などを述べた記事からのリンクは歓迎です。ただし、ブログ記事アップ直後はミスが多く、頻繁に修正します。場合によっては削除する可能性もあります。その際、何も断りもなく修正・削除しますがご了承ください。内容を参考にする場合には投稿後一週間ほど様子を見てからにしてください(笑)。

記事の間違いを指摘するときは、その具体的箇所、理由(仕様に反するなど)・根拠(参考にした文献など)、代替案(同じ結果を得るための正しいやり方)も教えてください。そうしないと、(指摘される側および第三者はその時点では無知の状態なので、)どこが間違いなのか分かりませんし、本当に間違っているのかどうかが判断・検証できません。実際、間違いだと指摘されたことが結局は正しかったというケースもありますので。

このブログのタイトル一覧

リンク
月別アーカイブ
カテゴリ
最新記事
検索フォーム
RSSリンクの表示