電話着信時に ADSL が切断される現象について
型番「6PT」の保安器が原因で電話着信時に ADSL が切断されることは 10 年以上前から知られています。実は、ADSL の仕様上、正常な状態でも電話着信時の瞬断は起こります。
以下、保安器が原因かどうかを切り分ける手順についてのメモ書き。
原因を切り分ける手順
一番確実な方法は保安器を直接調べることです。が、保安器はたいていユーザー宅の外壁の高いところに設置されています。しかも、カバーで覆われており、中身が「6PT」か「6P」かを見分けるにはそのカバーを取り外してみないとわかりません。よって、梯子を立てかけてよじ登る必要があります。これは一般人にとっては危険な作業です。
次善の策は以下のとおり。
当該の ADSL 回線を通じてインターネットに接続できる Windows パソコンにおいて、コマンドプロンプトで ping コマンドを -t オプションつきで実行します。
> ping -t www.google.co.jp www.google.co.jp [74.125.235.95]に ping を送信しています 32 バイトのデータ: 74.125.235.95 からの応答: バイト数 =32 時間 =15ms TTL=54 74.125.235.95 からの応答: バイト数 =32 時間 =18ms TTL=54 74.125.235.95 からの応答: バイト数 =32 時間 =17ms TTL=54 74.125.235.95 からの応答: バイト数 =32 時間 =17ms TTL=54 74.125.235.95 からの応答: バイト数 =32 時間 =17ms TTL=54 (以下続く)
※ 中断するときは [Ctrl]+[C] を押す。
ping 実行中に (スマートフォン・携帯電話・公衆電話などから) 電話をかけます。すると、電話の着信音が鳴り始めると同時に通信が切断され、コマンドプロンプトには「要求がタイムアウトしました」(Request Timed Out) と表示されます。
> ping -t www.google.co.jp www.google.co.jp [74.125.235.95]に ping を送信しています 32 バイトのデータ: 74.125.235.95 からの応答: バイト数 =32 時間 =15ms TTL=54 74.125.235.95 からの応答: バイト数 =32 時間 =18ms TTL=54 74.125.235.95 からの応答: バイト数 =32 時間 =17ms TTL=54 (中略) 74.125.235.95 からの応答: バイト数 =32 時間 =16ms TTL=54 要求がタイムアウトしました。 要求がタイムアウトしました。 (以下続く)
通常は、電話の着信音が鳴っている最中でも通信が可能です。着信音が鳴り始めてから長くても 2~3 秒ほどで再び ping 送信先からの応答が復活します (「要求がタイムアウトしました」が全く表示されない場合もあります)。
一方、「6PT」の型番の保安器が設置されていると、着信音が鳴っている間ずっと「要求がタイムアウトしました」を表示し続けます。逆に、このような現象が確認できた場合、保安器が「6PT」である可能性を疑うことができます。
関連 URL
→ NTT東日本:よくあるご質問 - フレッツ・ADSL - 電話着信時に通信速度の低下または通信できなくなる場合がありますか?:(電話での通話には支障がなく) ADSL 特有の事象による保安器の交換は有償。