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ハンコについてのメモ

ハンコについて個人的に調べたことのメモ書き。

ハンコに関する基本用語

印章・印影

「ハンコ」は、漢字で書くと「判子」。

「印章 (いんしょう)」は、ハンコの正式な呼び方。

印影 (いんえい) とは、ハンコを押した跡のこと。

印面 (いんめん) とは、ハンコの文字を彫ってある面のこと。

印鑑

印鑑 (いんかん) とは、役所や金融機関に登録・届出された印影のこと。

巷では「印鑑」という言葉がハンコの意味で用いられることが多い。だが、これは誤用らしい。広辞苑第 6 版の 2 番目の説明には「あらがじめ市町村長や銀行その他取引先などに提出しておく特定の印影」と書かれており、これが印鑑の本来の意味のようである。

ただ、誤用のほうが広まり定着しつつある言葉なのかもしれない。というのも、広辞苑第 6 版の 3 番目の説明には「印。印章。判。」と書かれている。

そんな状況のもと、役所の職員やハンコ屋の店員といったプロたちにとっては、誤用と認識しつつも、現場では素人である相手に合わせなければならない事情がある?

押印・捺印

「押印 (おういん)」「捺印 (なついん)」「押捺 (おうなつ)」は、いずれもハンコを押すことを意味する。基本的には同義語。

ただし、次のような説明も見かけた:記名のあとに続けてハンコを押すときは「押印」を使う。いわゆる「記名押印」。署名のあとに続けてハンコを押すときは「捺印」を使う。いわゆる「署名捺印」。

「署名」「記名」はどちらも自分自身の氏名を書くことであるが、違いがある。前者は名義人自身が手書きで書くことを意味する。後者は名義人自身が手書きで書く以外の方法で書くこと (例:パソコンで印字、ゴム印を押す、第三者が記入する) を意味する。

「自署 (じしょ)」「サイン」は「署名」と同じ意味。特に、自署とは自分自身で自分の氏名を書くこと。似ているが違う意味の言葉に「自書 (じしょ)」や「自著 (じちょ)」があるので注意。

本人の意思で名前を記入したことの法的な証拠能力の高い順に並べると以下のようになる:

  1. 署名捺印
  2. 署名のみ
  3. 記名押印
  4. 記名のみ (契約自体が無効)

ただし、商法第 32 条には「この法律の規定により署名すべき場合には、記名押印をもって、署名に代えることができる。」とある。

訂正印・捨印

訂正印 (ていせいいん) は、文書に書いた文字を書き直すときに使用する。例えば、横書きの文書において文字を削除するとき、間違えた箇所に二重線を引き、その上にハンコを押し、印影の近くに「削除○字」と記入する。

捨印 (すていん) は、文書に書いた文字を訂正しても構わないという許可を前もって与えるときに使用する。あらかじめ押しておく訂正印といったところ。捨印は文書の欄外に押す。

捨印を押しておけば、後で訂正の必要が出てきたとき何度も訂正印を求めることなく手続きがスムーズに運ぶ、というのが捨印のメリット?

一方で、捨印を押すことは、白紙にハンコを押すのと同じくらい危険だという話もある。

何の説明もなく上から目線で捨印を押せと言うのは傲慢というか非常識というか……。

訂正印や捨印として使用するハンコは、契約書に押印したものと同じハンコを用いる。

ハンコの種類

実印

実印 (じついん) とは、役所に登録したハンコ (より正確には、住民登録している市区町村に印鑑登録したハンコ) のこと。1 人につき 1 個だけ登録可能。

印鑑登録すると「印鑑登録証」が交付される。自治体の多くがカード式を採用 (いわゆる「印鑑登録カード」)。

実印を求められる場面では、同時に「印鑑証明」が必要になる。印鑑証明の正式名称は「印鑑登録証明書」。印鑑登録をした市区町村で印鑑証明の交付を受ける際は印鑑登録証が必要である。

最近では、マイナンバーカードを利用して住民票の写し・印鑑証明等をコンビニで取得できるサービス「コンビニ交付」が拡大中:

総務省:マイナンバー制度とマイナンバーカード - コンビニ交付

認印

認印 (みとめいん) とは、実印以外のハンコのこと。

言い方を変えれば、実印が求められる (したがって同時に印鑑証明も必要となる) ような重要な場面以外のところで使用されるハンコ。

ざっくりいえば、普段使いのハンコ。

銀行印

銀行印 (ぎんこういん) とは、金融機関の口座開設時に登録するハンコ、いわゆる届出印 (とどけでいん) のこと。

実印、銀行印、認印はそれぞれ別のものを用意するのは常識だが、注意深い人は銀行ごとに届出印を使い分ける。

かつては通帳の表紙の裏に届出印の印影が貼り付けられていた。いわゆる「副印鑑 (ふくいんかん)」である。ところが、この副印鑑をもとに印影が複製・偽造され、不正に預金が引き出される事件が多発した。その対策として各金融機関は副印鑑を廃止した。

銀行の届出印の最近の動向としては、まずネット銀行ではいち早く届出印なしで口座開設できるようになっている。2016 年に入り、りそな銀行をはじめ大手銀行が相次いで届出印なしで口座開設できるようにする方向で動き出している。

三文判

「三文」という言葉は価値がきわめて低いことを表す。江戸時代、1 文銭 (いちもんせん) は最低額の貨幣であった。1 文銭 3 枚が 3 文である。

大量生産された出来合いの安価なハンコのことを総称して三文判 (さんもんばん) と呼ぶ。

ラクトで作られたハンコが三文判として最も普及している。それ以外ではアクリルも三文判の印材として使われる。ラクトもアクリルもプラスチック (=合成樹脂) の一種。

三文判は以下の理由から実印や銀行印には不向きとされる:

  • 機械による量産で同じ印面のものが世の中に出回っている。
  • プラスチック製のものは耐久性が弱く破損しやすい。

シャチハタ

1965 年、シヤチハタ工業がインキ浸透印の開発に成功。その後は他社からもインキ浸透印が発売されているが、それらも含めて「シャチハタ」の通称で呼ばれることが多い。ネーム印とは、認印としての使用が想定された、印影に苗字が描かれたインキ浸透印の製品のこと。

シャチハタは以下の理由から公的書類では使えない:

  • 機械による量産で同じ印面のものが世の中に出回っている。
  • 印面がゴム製のため、経年変化によって印面そのものが変形しやすい。
  • 朱肉ではなくインクを使っており、インクは紫外線劣化が早いため、時間が経つと印影が薄くなってくる。

特に、実印や銀行印としては使えない。

シャチハタはスタンプでありハンコの代用品である、という考え方がある。三文判は安価といえども一応は朱肉を使うハンコである。インクを使うシャチハタは三文判よりもハンコとしての階級が低い感じ。

とはいえハンコよりも簡便なので、利用できる場面では積極的に使いたいところである。家庭でシャチハタが使えそうな主な場面といえば、

  • 宅配便の受取
  • 回覧板

だろうか。

電子印鑑

電子印鑑とは、紙の文書に押印する行為をパソコン画面上で実現しようとするソフトウェア。

従来は、パソコンで作成した文書をいったんプリントアウトし、押印していた。電子印鑑ソフトを使い、印影の画像を文書の上に配置することによって、パソコン画面上での押印が行える。

電子印鑑それ自体は、セキュリティや法律に関する話題というよりは、事務作業の効率化に関する話題?

ハンコ選びの基礎知識

手彫り・手仕上げ・機械彫り

印面の彫刻作業は、大きく分けて 3 段階の工程がある。

  1. 字入れ:彫刻する文字を押印したときに正しく写るように逆さに書く。
  2. 荒彫り:文字に沿って大きく削る。
  3. 仕上げ:線をきれいに整える。

さらに、

  • 手彫り:字入れ、粗削り、仕上げの全行程を手作業で行う。
  • 手仕上げ:粗削りを機械で行う。字入れと仕上げの両方を手作業で行う。
  • 機械彫り:粗削りを機械で行う。字入れと仕上げの一方または両方で機械を使う。

一応の理屈としては、手仕上げや機械彫りであっても、字入れと仕上げの工程で印影を作り込めば、唯一無二の印影が実現可能?

私自身は、別に手彫り至上主義というわけではないが、機械彫りを手彫りと称して販売するのには抵抗がある。実際、そのような事例があるとかないとか!?

印善田中製印所:手彫り印鑑の見分け方 (機械彫りとの判別方法)

真偽のほどは不明だが、理屈としては可能。上記のサイトによれば、機械で彫った後で手彫り風に加工する手口があるようだ。素人目には区別が難しい?

大きさ

役所での印鑑登録の際、登録できる印影の大きさには以下の条件がある:

  • 印影が一辺 25 ミリの正方形枠内に収まらないほど大きいものは不可。
  • 印影が一辺 8 ミリの正方形枠内に収まるほど小さいものは不可。

そのことを踏まえたうえで、実印用途のハンコについて、インターネット上では、男性には直径 15~18 mm、女性には直径 13.5~15 mm の大きさを勧める説明が多く見受けられる。全日本印章業協会の会員店舗の某ハンコ屋さんによれば、男女ともに 15 mm の大きさが標準的とのこと。

印材

印材 (いんざい) とは、ハンコを作る材料のこと。

前出の某ハンコ屋さんによれば、象牙 (ぞうげ)、牛角 (うしのつの)、黒水牛 (くろすいぎゅう)、柘 (つげ) あたりが実印に使われる印材の定番らしい。

なお、「牛角」とは南方 (オーストラリア、アフリカなど) に生息している陸牛の角である。かつて「オランダ水牛」と呼ばれていた印材。

個人的な印象としては、

  • 象牙は昔も今も高級。
  • 黒水牛はコスパが高そう。
  • 最先端っぽいチタンも気になる。

といったところ。

ところで、象牙といえは、密猟の問題が深刻:

NHK:おはよう日本 特集ダイジェスト 象牙“取引禁止” 密猟の現場は (2016 年 9 月 26 日のニュース)

ネット通販では象牙の販売を終了するところも。だからといって、日本国内の取引禁止を見越して今のうちに象牙のハンコを作っておこうという発想もどうかと……。

チタンなど印材が金属の場合、手彫りは無理?

書体

実印用途のハンコの印面に彫る文字の書体としては篆書体 (てんしょたい) が定番らしい。ちなみに、日本銀行券 (いわゆるお札) に印刷された印影の文字は篆書体である。前出の某ハンコ屋さんでも、実印用途のハンコでは篆書体のものが売れ筋とのこと。

篆書体以外では印相体 (いんそうたい) も定番か?「吉相体 (きっそうたい)」「八方篆書体 (はっぽうてんしょたい)」は印相体の別名。

ネット上では次のような内容の説明をよく見かける:

篆書体 (てんしょたい) や印相体 (いんそうたい) は形状が複雑なので偽造しにくい。だから、実印や銀行印の書体に適している。

銀行通帳に貼付された副印鑑が悪用された事例に鑑みると、結局どんな書体であってもイメージスキャナとパソコンを使って容易に印影を複製・偽造できてしまうのではなかろうか?

以下のサイトに書かれている印相体批判の文章はショッキングだった:

印善田中製印所:開運吉相印は全てインチキです 印相体の嘘

本題とは無関係だが、注意喚起のポスターの「インパクト」と、それが印章店向けに「販売」されていたことに二度びっくり。

アタリ

アタリとは、印面の上下をその都度確認しなくても済むようにハンコの側面に付けられた目印。

実印の場合、アタリがないほうがよいことの理由でよく見かけるのは以下のような内容:

実印は重要な契約の場面で使う。アタリがなければ、印面の上下を確認するために一呼吸おくことになる。その間が、冷静さを取り戻す機会を与える。

以下のサイトでは、このような説明の出所が開運商法のセールストークなのだと主張する:

印善田中製印所:はんこの上下 (しるし) ・当たりについて

もしアタリのないハンコを購入したあとになって印面の上下を確認する煩雑さに後悔したら、ハンコの側面に目印のシールを貼るという対処法もある。

参考 URL

全日本印章業協会
東京印章協同組合

【theme : 暮らし・生活
【genre : ライフ

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